元Itamae 料理上達の秘訣

モデリング

モデリングとは、心理学用語で、観察学習と意味があり、
簡単に言えば、「真似(まね)をする」ということです。


実は、先日、今年から小学校に入学した娘が、
体育で、「前転」をやったらしいのですが、
うまく回れなかった、という事件がありました。


先生には、「布団の上で、練習したらいいよ。」(家で)
と言われたらしく、寝る前に、「前転」の練習会をすることに。

娘は、前転をすると、横に倒れていました。
それで、いろいろとアドバイスをするのですが・・・

「もっと、こうしたら。」
「手の位置を、もっと、手前に。」

というようなことを、言えば言うほど、
どんどん、おかしくなっていきました。

そして、娘は、戦意喪失。(笑)


また、僕自身が、前転をやって見せたりもしたのですが、
大きい身体の僕がやると、いまいち、ピンとこないみたいで。(^^;


で、どう言えばいいんだろう?

と考えたすえ、最後に言ったアドバイスは、

「うまくできている子をよく見て、真似をしてみたら?」

でした。


その時、「モデリングか!」

と思って、今回のメルマガを書いています。


料理上達のなにかのヒントになるのでは、と。


このモデリングという考え方は、
スポーツなどでは、普通にすることだと思います。


スポーツをされている方や、されていた方は、
ピンとくる話かもしれませんね。


うまくなりたくて、「ビデオ」を真剣に見る。
なんども、なんども、繰り返し見る。

すると、気がつくと、そのビデオの選手のプレースタイルなどが、
自分に、うつっていたりしたことはないですか?

ビデオを見たことによって、
明らかに、今までの自分ではないスタイルに、変化したりと。

なので、やや違和感があるものの、気分はいい、みたいな。


また、スポーツ以外でも、仕事のスタイルが、
先輩とそっくりになっていたりしたことはないですか?


僕は、あるんですよね。
他の人から、言われるまで、気がつかなかったですが。

「○○さんのコピーみたい」と言われたこともあります。(^^ゞ


リズムであったり、やることや、考え方など、
影響を受けて、だんだんと、似てきたりします。


その時は、モデリング・真似してやろう、とは意識していなかった
のですが、結果的に、真似をした、という感じになっていました。
教えてもらったとおりにしようと、忠実に仕事をしていたら、
自然とそうなっていた、といった方がしっくりくるかもしれません。


それから、「コピー」と言われたことをきっかけにして、
独自のやり方を、どんどん取り入れていったのですが、
結果的に、短期間で成長することができたと、
振り返ってみたら、そう思います。


うまくいっている人のエッセンスを取り入れる。という感じで。


まぁ、たぶん人は、無意識に影響しあっているので、
このようなことも、日常的なことかもしれないですね。

子供の成長なんて、まさに、観察学習ですもんね。


ここでは、そのモデリングというものを、
「【意識】して、やっていったら、もっといいじゃない?」
ということをお伝えしたい。


じゃ、具体的な話に入っていきます。


まず最初は、その真似をするモデルを、誰にするか?

ということ。


基本的には、自分よりも、「うまくやっている人」です。

全体的なトータルで、優れた人でもいいでしょうし、
部分的に、秀でた人でもいいと思います。


ただ、あまりにも、自分との技術の差が大きすぎると、
無理があったりします。

逆に、ストレスになったりするんですよ。
一気に、高望みをすると。


なので、
かならず一流の人ではないといけない、ということはありません。

自分よりも、少し上のレベルの人ぐらいでいいと思います。

まぁ、あんまり手堅くいきすぎると、
モデリングの意味がなくなりますけどね。


「あんな風に、できたらいいなぁ〜」


と思えたら、いいんじゃないでしょうか。


レベルアップしていけば、
どんどん次のモデルにチェンジしていけばいいんだから。


というか、モデリングは、特に、
うまくいかない初期の頃に、必要なテクニックだと感じています。


というのも、
うまくいきだしたら、独自のアイデアも出てきますし、
自信もできてくるので、自分で、追求していくことができるからです。


でも、初期の頃は、なかなかうまくいかないし、
どうすればいいか、わからない。


なので、
モデリング・真似していくことが、学びの助けになってくれる、
というわけなんです。


これ、面白いんですが、
いろいろな人を見ていても、影響を受けた人や、
モデリングした人が、わかることがあります。

似てるんですよ。
話すことや、仕草、動作、スピード、リズム、考え方など。

ここから、ちょっと話がそれるような感じがするかもしませんが、
モデリングを考える上でも、大切なことだと思うので、話します。


環境が、人に与える影響は、計り知れない。


走るのが速い人と一緒に走っていると、自分も速くなる。
でも、
走るのが遅い人と一緒に走っていると、自分も遅くなる。


程度の差はあるにせよ、こういうことって結構あると思うんです。


人は、無意識に、影響しあっている。


ということは、

今の自分を変えようと思ったら、
今の自分よりも、もっと向上していこうと思ったら、
環境を変える必要が出てきます。


たとえば、
料理関係の仕事をしていると、
1つのお店では、できることが限られてきます。
なので、環境を変えるためにも、転職という選択肢がでてくる。など


≫ 料理関係の転職については、こちらにも書いています。

自分を今よりも、もっと向上させたいと思ったら、
環境は、自分でコントロールしていく、
自分で、作っていく、
という姿勢が大切ではないでしょうか。


具体的には、何かを、
習ってみる。
独自に、勉強してみる。
転職する。
など。

環境を作っていくために、自分に、できることは何か?
を考えてみる。

考えてみるだけでも、違ってくると思います。


今回の話でいえば、モデルになる人を探す。
っていうのも、いいですね。

モデリング・真似をする、ということは、
見方を変えると、「演じる」「なりきる」ということでもあります。

子供の頃の「ごっこ遊び」みたいな感じで。


論理や理屈では、頭のレベルなのですが、
真似をする・モデリングでは、モーション・体感するわけです。
それが、上達のスピードを加速させます。


料理でいえば、
最初から、料理が思うようにできない時に、
レシピ本を見ただけでは、上達するのは、難しいですね。

レシピ本には、動きがないし、リズムとかを感じ取ることができない。
調理の雰囲気が、伝わってこないんです。


スポーツでも、解説本を見ることより、
実際にプレーしているビデオを見る方が、わかりやすいし、
リズムや雰囲気、どう動かすか、などが伝わってくるでしょ。

即、実践できるわけです。


もちろん、論理や理屈も大切ですが、
初期の頃は特に、モーション・動きの方が重要だと感じています。


そこで、役立つテクニックが、真似をする・モデリングです。


論理は横に置いておいて、とりあえず、真似をしてみる。
同じように、やってみるんです。


すると、

「あれ?ここがうまくいかないぞ」


といって、またモデルの人を観察する。


そして、また、真似してみる。

「おっ!なるほど、なんかわかってきたような」


そして、また・・・


・・・・


すると、
ある時、思った以上に上達している自分を発見する。

以前は、難しいと思っていたことが、
スムーズにできている自分を発見する。

という、シナリオです。


真似をする、といっても、モデルの人は、自分とは違う人なので、
どうしても、真似しにくいこともあるでしょうが、
そんな時は、ポイント的に、モデリングすればいいです。


モデルの人の良いところ、自分が必要としている部分を、
自分に吸収するようなイメージで。


無意識にやっていることを、意識的にやることによって、
自分で、コントロールしている実感が得られると思います。

「モデリング」


どんな分野でも、活用・応用のできる考え方です。


≫ DVDとマニュアルで、効率良く学べる料理講座


P.S.
先日、本を読んでいたら、
「料理」を作ることが、脳・思考のトレーニングになる。
ということが書いてありました。
ただ、レシピをみて、そのまま作るのでは、
トレーニングとして、あんまり意味がないそうです。
冷蔵庫にある材料で、工夫して作ったり、
レシピに、独自のアイデアを加えたりすると、いいそうですよ。

つつしん


レシピの「元になっているレシピ」  ⇔  料理で自信を持つ方法

 

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